作品紹介

振袖

白地裏雲どり波に小花文様

白地に桶染めの朱一色物ですが、
シンプルな中に大変豪華な刺繍加工を施した逸品です。

これもまさに泰三好みの、泰三ならではの振袖です。
製作に1年もかかるこうした逸品はもう京都ではほとんど生産されていません。

そういう意味でもこれから作っていく泰三の振袖は大変貴重なものかもしれません。
残念ながら、あと10年も経つと同じものが作れないことだけは確かですので、
今のうちに色々と作っておこうと思っているこの頃です。

黒地絞り梅文様(部分)

梅の総柄を絞りと総刺繍で表現したものです。

梅は原産地は中国ですが、奈良時代にはすでに日本に伝えられており、
平安時代頃桜に取って代わられるまでは「花」といえば「梅」の事を指していたようです。

愛らしい形や香り、独特の枝振りが愛され万葉集にも数多く歌われるなど
古くから日本で愛されてきた植物です。
そのため絵巻・浮世絵をはじめ、多くの工芸品やキモノの文様として今でも愛されています。

また梅の花は学問が栄える時に見事に咲くと言う言い伝えがあり、
天神信仰との関わりもあり中世には庶民にも親しまれた。

「四君子」や「松竹梅」として梅が目出度いものとなったのは、
梅は寒い冬にいち早く花を咲かすことから忍耐があり生命力象徴としてめでたいものとなり、
江戸時代より新春を彩るものとして定着してきました。

泰三の作品にも梅の柄はよく使いますが、
梅だけ単独の柄の振袖は、近年では珍しいものです。

黒と白と朱濃淡に金だけの色使いで、
大変豪華なものですが、本当に上品な逸品です。

時代を超えた美を表現するキモノとして
後世でも愛でていただけるものと確信しております。

これほど豪華なものづくりも近年本当に激減しており、
まさに泰三の振袖は日本一であると自負いたしております。

娘が大きくなれば是非に作りたいと申されているお客様もおられるのですが、
職人の高齢化だけでなく、諸情勢に鑑みて、
これほどの品質を保つのは10年後は難しいのではないかと予想されます。

今のうちからおつくりになって保存されておくことも
ご検討くださいと申し上げております。

職人さんの後継者ゼロの現在の状況ではいかんともしがたいのです。

慶長染め分け笹取り菊唐草桐文様(部分)

桶染めで染め分けし、菊唐草文様を中心に小花を刺繍と金彩加工で表現したものです。

色数はとても少ないのですが、豪華な中にも上品さを失わない泰三ならではの振袖と言えます。

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