簡単に帯は締められる

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業界の苦境をいちいち取り上げると切りが無いほど悲しい話も多い昨今で、白生地産地でも廃業の話が出て、色々取りざたされたりしていますが、とても大切な精錬が地元で出来るかどうかと言うことも含め、生産システムの維持に暗雲が垂れ込めてきており、地方などでは行政の力が今こそ必要だろうと思います。

結局は需要を拡大していくことしか白生地産地などを救うことは出来ませんが、現状ではなかなか難しいので、若い人達は自ら白生地ではない道を模索して活躍している人達もいます。

ということでは白生地を作る人がどれほど残れるのかと言うことになって、染めのキモノを作ること自体にまたも困難がともなうことになりそうです。

需要拡大の第一歩はまず着て貰うことからと言うことで、浴衣の着装などの教育などにも取り組んだり、着付け教室も増えたのですが、現実はなかなか実績が上がりません。

着付け教室のチェーン店などでは初心者をある意味騙して普通よりはるかに高い値でキモノや帯を買わせるなどキモノファンになる入り口でひどい商いをすることで、消費者の不信を生むなどただただ節操なき不見識に呆れます。

キモノの着るのに難しいと思うのは帯を締めることでしょうが、そんなに難しく思わなくても、今は切らないでも帯の形になる仕立て方があり、家内も早く着るために殆どそうしています。
切らないで作れるので、その仕立ての糸をほどけばまた元の帯の状態に戻ります。

私どもは積極的にお薦めしているのですが、普通の所は進めません。なぜなら着付け教室などを併設していて客を呼び込みたいわけですから、簡単に着られると困るのです。

キモノを着る過程が簡単で時間が掛からないようにすることをわざと推奨しないというこんな業界に未来はありません。

お客様目線がなく、自分でキモノを買ったことも着たこともない者が旧態依然と何も勉強しないで昔からのことばかり言っているのですから、これからの人達にファンになる努力をしているとはとても思えません。


キモノがほんとに好きで商っている人達はそれなりに色々な知恵を出していますし、きっと元気に生き延びられるでしょう。自分の商いが好きでない者ではいずれ続かなくなるでしょうね。そういう熱い思いを持った人にキモノをお世話して貰えれば幸いなのですがね。簡易仕立ての作り帯について詳しくお知りになりたければお問い合わせください。

新内演奏会

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私は若い頃から稽古事を続けており、現在は清元節を30年続けてきましたし、もう一つ新内節を3年半同時にお稽古しています。その他にも茶道を35年ぶりにお稽古始めています。

かつて呉服業界では若旦那は謡曲を習うのが当たり前だったt時代もあって私も若い頃は結構長く続けていました。

そうしたお稽古事で、自然に躾やキモノのことも学ぶようになったわけで、キモノを着ることで両親に教わったことは何もありません。

つまりこうした伝統文化を嗜むことで、キモノの世界へ自然に誘われるわけですから、キモノ業界でこれからもこの仕事で飯を食っていくつもりなら、当然のごとく何かそうした伝統文化に触れて欲しいと言い続けているのですが、残念ながらそうした教養は必要ないと思っている輩がろくでもない安物ばかり作るので暗澹たる思いです。

さて新内節は京都で教えておられる人は2人しかいないのですが、そのうちの1人新内志賀(重森三果)師のもとでお稽古しており、年に1度新内協会に属している派(新内には全体の家元が存在せず、現在15の派の主宰者がそれぞれ家元の派の家元です)の弟子の代表が出演する演奏会があります。

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私は今年で3年連続出演させて頂きますが、三勝半七という曲を語ります。

新内節は江戸浄瑠璃の一つで、そのルーツは豊後節で、それは常磐津、清元と同じですが、成立が古く、まさに語りの音楽で節回しも多く難しいので、最近新しく稽古する男性も殆どいません。私で一番若い方のようですので推して知るべしでしょう。

新内h節はなかなか聴く機会もないかと思います。もしお時間あれば拙き芸ですが聴きにおいでになりませんか。
新宿区在住ならびに職場が新宿区の方は入場無料です。
色々稽古事でも忙しく、なかなかゆっくり出来ないこの頃です。

ものすごい減産

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今年になってキモノ市場は非常に低迷していますが、特に災害が続いてからの店外催事などの集客も悪く、購買単価も落ちています。

今月の顔見世ツアーの成績も振るわず、業界全体に暗雲が立ち込めています。

9月に西陣産地の出荷は対前年で24%も落ち込んだということですが、こんなことはかつてありません。キモノが売れなければ当然帯も売れす、小物も売れません。

先日もある組紐メーカーが破たんしましたが、どの段階、どの職種も総じて苦境で良い話を聞きません。

でも私はこれは単に景気が悪いとか、災害での心情的な買い控えというような原因だけではなく、近年の業界の歩んできた道に問題があると思っております。

最近は週末になると問屋やメーカーの人間が専門店やデパートの催事に手伝いに出かけます。かつてはまさに会場でのキモノを畳んだり、衣桁に掛けるという補助的なお手伝いで、そのことに感謝して、宿や食事はその店が持ってくれたものです。

ところが今は様変わりで、交通費宿泊費は自分持ちで、品物を貸してそれを設営して、販売までさされますし、展示会終わっての撤収までやらなければなりません。

勿論日当もなく、来るのが当たり前、問屋が売るのも全く意に介さず、何でも売れれば良いというような呆れた呉服屋が山ほど有るのです。

リスクはすべて問屋持ちで、ひどいところは値札も付けさせ、案内状の作成まで頼んでくるところがあるそうです。それでいて掛け率が2倍どころではなく、作り手が口を開けてあんぐりするような値が付いているのです。

勿論すべてがそうと言うわけではありませんが、そういう展示会をすることに何の衒いも無く、恥とも思わないのでしょう。ひどいところはその上に問屋への金払いが悪いのです。

それでも集客が出来ていて売れるのならまだしも、真剣に商っていないので、雀の涙程度の来客では、折角京都からわざわざ出てくる問屋等に失礼この上ない話です。

結局仕入れ先のことを馬鹿にしているのでしょうし、思いやりなど欠片もありませんね。

売り先が次々無くなっていくので問屋も我慢していてもこんな店はいずれ駄目になるのも目に見えていますし、問屋からも袖にされます。

デパートも基本的には似たようなもので、問屋に感謝の念を持つような者はほぼ皆無ですし、勿論勉強もしていません。

過去から言い出すと切りが無いほど、真面目に真剣に消費者目線で、消費者の声を聞いて商っている、自らも自分に金を掛けて,自らの文化力を高めるような努力をして居る者にほとんどお目に掛かったことがありません。

私が知らないだけなのかも知れませんし、そういう努力をされているところは営々と商っておられることだと思うのですが、総じてこの業界の流通業者の文化力は極めて低く、伝統文化を背景としてキモノを着たいと言われる方々にまともなアドバイスが出来ません。

そうした流通側の人材の劣化と商う手段方法が完全に間違っているのに、つまらない付録商法や値引き商法が蔓延し、結果消費者の不信を生むだけでなく自らの首を絞めています。

つまらないことに金を掛けるのではなく、本来品揃えにリスクを張って貰いたいですし、その店の好みが見えるような品揃えをすべきです。

そうすればその好みを愛でる客が必ず付いてきます。

潜在的にキモノを買いたいという人は少なくないのです。

災害のせいにしないで、どうしたら新規客の獲得だけでなく従来からのお客を商品で満足させられるのかと言うことに第一義的に傾注すべきだと何時もながらに思っています。


来年も開催します

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先日の第2回「泰三の会」は無事終了いたしましたし、また新たなお客様とのお出会いがありました。
すでに銀座に店が無くても私どもにキモノのことで面倒を見て欲しいとおいでになることは大変光栄でもありますが、その方たちの色々なお話を聞くと、私が常々指摘しているような、ひどい売り方に遭遇され、いったいどこに行けば自分たちが欲しいと思うに出会え、とかつ信頼して買えるかとお尋ねになると、本当に暗澹たる思いをいたしますし、業界人としても大変恥ずかしい思いでおります。

実際私がここなら間違い有りませんと、太鼓判を押せる店というのが私が不明で知らないのかも知れませんが、残念ながらほとんど無いというのが現実です。

呉服店の命は商品と人でしょう(まあ他の物販でも同じですが)が、当然であるべき両方兼ね備えた店というのが私には思い当たらないのです。

それは私が知らないのかも知れませんので、逆にお教え頂きたいと思うのですが、着物を文化として捉え自らもよく勉強し、キモノを着る背景の伝統文化のこともよく知る人というのも、余りで会ったことがありません。
デパートでも近年はむやみに高いですし、モノの価値と値段が釣り合っていないモノが目立ちます。

今回来られたお客様も他所で大変嫌な目に会われて、自分がもっと勉強しなければと思いネットで色々検索しているうちに、このブログにたどり着き、そのことでご縁が生まれたわけですから、やはり情報発信の大切さを改めて実感しております。

初めておいでになってお買い上げ頂くのは私のブログを読んだ結果、私をご信用頂いていると言うことなのだろうと思いますので、責任もまた思いと感じております。

店を閉めることで、暫時廃業隠居の方向に向かうつもりですが、私の大好きなキモノ文化の未来を思うとき、現実には絶望的に物作りの現場は厳しい状況であることは再三再四指摘しているところです。

そうであっても、まだまだ頑張れるよう製作者に作る喜びを与えるためにも売り手の責任は重大です。
ところが今日もある少しは名の知れた染織作家の友人と話したのですが、発注する問屋の見識がとんでもなく低く、安くしろと言うばかりで、その実先では20倍で売られていると言うことですから。アホらしくてやる気も失せます。

実際辞めたくなると言っていました。

キモノを買ったこともない、着たこともない連中がキモノを単なる一商材としてしか見ていないので、本当に呆れかえる値付けや売り方をします。

引き継ぐべき次世代も教養を積むことなく妙に安物思考ですし、とてもバトンタッチが出来ません。

叱咤激励の意味で苦言を呈すると老害などと言われる始末です。余りの教養レベルの低さにこの業界の未来を案ずるのは当然です。

伝統文化での需要はなくなると思っているようです。茶道で着られるキモノを理解できないような輩がキモノ文化を語るという業界です。

まあいくら言っても分からない連中に物を言うことの馬鹿さを感じ、私はこれからも健康なら、まだまだ色々ときものの紹介をして行かねばならないと思っています。

来年からも,2,3ヶ月に1度は銀座東武ホテルでのミニ催事を続け、単に私の作品だけでなく真面目な良い物を作りながらも流通が悪すぎて苦しんでいるような人達の物も随時ご紹介して行きたいモノだと考えております。

これからも遠慮無く何でもお尋ねくださればと思っております。

来年はまず2月初めに開催予定でございます。

深謝

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本年7月末で閉店する辺り多くのお客様から御売約を頂いており、順次お納めしておりますが、京都側のお願いしている仕立屋さんのキャパを大幅にオーバーしていることもあって、まだまだお納めできない状況で大変申し訳無く思っております。

このときだけ違う仕立屋さんを使うというのも信義に反し、また18年間ノークレームで推移した腕の良い仕立屋さんの仕事は今後も続けていって欲しいわけですので、もうしばらくお時間を頂戴いたしたいのです。

ただ特別の時にお召しになりたいとかご要望があれば事前にお知らせください。
年内にはほぼお納めできるようにと考えておりますが、一部来年の回ると思いますので改めて深謝申し上げます。

御売約を頂いているおキモノや帯をお納めしないとなかなか次の提案が出来ませんが、

とりあえずは11月16日、17日には銀座東武ホテルで第2回「泰三の会」を開催し皆様のご要望などをお聞きしたいと思っております。

今回は残っております泰三の訪問着と梅垣さんの帯のセットをリーズナブルに提案しようと思っております。

ここのところキモノ業界は大変な苦境で産地の廃業のニュースも色々聞こえておりますが、災害の影響も確かにありますが、店外催事での集客が相当に落ち込んでおり、催事販売に頼っているところは大苦戦のようです。

ただその売り方にも問題がありますし、実際買いたいという人達の声を真剣に聞いているとは思えない商いがいまだに横行しているところに実はキモノ業界の低迷があると私は以前から指摘しておりますし、浴衣の出来損ないのキモノを作って安くして需要を拡大しようなどと言う妄想をいまだに抱いている御仁も多く、この業界は救われない思いがします。

と言う中でも真面目にやっていて信用を得ている人もまだまだいるとは言え、作り手の高齢化や疲弊が止まらないので、売りたいものがなくなっていくという事態は免れないと思います。

私は実際70歳を天で引退しようと思っていたのですが、色々な状況に鑑み、細々ではあっても父が創業した染の聚楽の看板はまだまだ下ろせ無いと覚悟しており、来年から体制を少し入れ替えながらも物作りは続けるつもりです。

また売り手として、アドバイザー、コーディネーターとしての役目もご用命あればいつでもさせていただくつもりです。
私も健康なら一生キモノの仕事とは縁が切れないような気がします。
まあそういう意味では一生現役かも知れません。

あんまり以前のようには張り切って頑張れなくてもキモノと言う文化、その背景の日本文化についてこれからも語っていきたいと考えてます。


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