材料や道具がない

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昨日、仕立て屋さんに取って欠くことにできない鏝(こて)を製造していたところが廃業をするということで、和裁業界で大きく取り上げておられます。

まあ鏝は丈夫なもので、一生使えると言えばその通りですから、その物への需要は昨今の状況に鑑みると右下がり一辺倒なのは当然でしょうし、そういうものをつくる大手の電機会社などありません。

この鏝を作っていた電機会社は大阪の中小企業ですが、特殊なものだけを生産していてもやはり需要が相当に落ち込んでいたのと後継者がないのではないかと推察されます。

キモノを生産するにはまさにたくさんの人たちが関わっていて、その中には材料やこうした道具を作る人たちも必要ですが、特に高級品の生産が激減しているだけに、最高級の品質の材料が次々と生産されず枯渇し始めます。
西陣でも高度な技を持つ職人さんの高齢化だけでなく、金箔の質の劣化も始まっています。

梅垣さんはそれを見越して作れるときに箔だけを生産して取り置かれていたのですが、高級なフォーマル帯の販売が不調ですから、なかなかその高級な箔を使った物の生産はためらわれます。

ところがそれどころではなくて、その箔を使って織れる職人さん自体がいなくなりつつあって、売れるか売れないかわからなくてもその箔を使わないと作れなくなるということで、この間から頑張って高級なものを生産されています。

今そう言う帯が店に来ていますが、見事としか言いようがありません。本金箔の輝きは上品で飽きが来ません。
お時間あればぜひご覧においでください。
デパートでとんでもない値で売っているどこかの帯より、はるかに質が良く、センスが良くかつ安いです。
本物の良いものを作っていこうという人が極めて少なくなっている現在、何とか梅垣さんの帯がもっと広く認知され売れていくように私もこれからも尽力したいと思っています


テレビ放映

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以前にも書いたかも知れませんが、6月16日(土)の夜7時からBS朝日で皇室スペシャル番組があり、その中で美智子様のおキモノについて少し解説をさせて頂いております。

以前にも出たときにお話したようなことの繰り返しになるかも知れませんが、ご興味あればご覧ください。

来年天皇皇后両陛下がご退位された後は、美智子様を取り上げるような番組もほとんど無くなるだろうと言うことですが、時期皇后はキモノをあまりお持ちでないようですので、このようなキモノにスポットを当てるような番組もつくれないわけです。

残念なことですが仕方ありませんね。

皇后がキモノをお召しにならないと、下々の者も着にくくなりますし、是非現皇后同様に、キモノをお召しになって頂くことを切望しております。

今のうちに地位に相応しいものをお揃えにならないと、いざというときにお困りになると思うのですがね。

文化は上意下達で、位の上の人達が愛でる文化が下の方に影響を与えていきます。
決してしたから上に上がることはありません。

ところがキモノ業界の中には安いキモノで底辺を広げればだんだん上物を求めるようになるなどと大変な妄想を抱く輩がいて、呆れかえります。

良い物をリーズナブルに買える流通こそが今求められることなのに、そのことに誰も触れません。既存流通が駄目だからきものが売れなくなっているのですから、構造そのものを変えていかねばなりません。

経済産業省が和装振興協議会なる不毛の議論をしておりますが、いまさら商取引の健全化なる本当にナンセンスなどうしようもないことで時間を潰しています。

まあ伝統文化などへの教養の欠片もないような安物官僚が、きもの振興など片腹痛いのですが、出席委員の中心が安物思考なので、どうしようもありません。

産地の物作りを支えるのに必要なこと、肝心な人づくりの議論をしないで今更取引条件を良くしようなどというような子供だましの議論でおしまいなのでしょう。

金払いの悪い小売屋なんか、品物を供給しなければ良いだけの話ですし、いつも言うように問屋が毅然としていたら、そういう輩はすぐ排除できます。

売る手段を変えれば小売屋がなくてもバカデパートがなくても、キモノを欲しい消費者は買われます。

今の時代の消費者がどんな物を買いたがるのかというリサーチもいまだに良く出来ていない業界ですし、産地を救うことはこのままでは不可能となり、高齢の職人さんが引退する毎に生産は益々減っていくと言うことになるでしょう。

ただでさえ人不足となってきた今の世の中ですし、若い人がキモノ業界に参入することは極めて難しく、そういうことにもっと頭を使ってほしいものですな。

閉店まで2ヶ月となりましたが、慌ただしく過ごしております。

私は今月は7日(木)から26日(火)(水曜定休)銀座の店に出勤いたします。

もちろん私がいないときでもスタッフは定休日以外常駐しておりますが、私がお相手させていただいた方が良いと思いますので、出来ればご予約お願いいたします。

まだまだお宝と思えるようなものもございますので、ご覧になるだけでも結構ですのでお立ち寄りください。

18年間通った銀座から離れるのは確かに一抹の寂寥感はありますが、今まで父の顔には泥を塗ってはいないし、父の代では出来なかった製造小売り型経営を始め、やり通してきたという自負はあります。

実は亡くなった父は、私が今の店を出すに当たって世話になった銀座の不動産屋さんの先代社長を訪ねて行ったそうで、それは私のやろうとしていたアンテナショップを銀座に作りたいと言ったのだそうで、その先代社長もその奇縁に驚いて、尽力していただいたと言う経緯があります。
銀座の得意先によく売れていた時代に父がそんなことを考えていたなど私には一言も言っていませんし、想像もつきませんでした。理由は分かりませんが、父は自分は染織デザイナーだという自負があり、自らの名で発表する場所を持つことを願っていたのではないかと思っていますし、結果的に私のその思いを果たしたと言うことではないでしょうか。

本来なら死ぬまで続けるべきなのでしょうが、ちょっと普通ではないイレギュラーな状況で、自らが先頭に立ってやってきただけに、正直色々なことを犠牲にしてきましたし、流石に疲れたというのが本音です。

でも物作りは好きですし、お客様のために商うという基本を全く無視したような業界人があまりにも多いと言うことにも鑑み、出来るだけ色々な意味でキモノの業界人でありたいという思いはあります。

不易流行という言葉通り、変えてはいけないことは護りながらも、時代に応じて変えて行かねばならないこともありますし、それをお客様にお伝えする役目としてもやるべきことはまだまだあるような気がしております。

私で分からないようなことも多々ありますが、物作りの友人知人のネットワークもありますので、お役に立てることは少なくないと思います。遠慮無く色々ご相談ください。

テレビ放映

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6月16日(土)の夜9時から、BS朝日の皇室スペシャルという番組で。また美智子様の

おキモノを取り上げるそうで、今回はその解説をお願いしたいと言うことで、過日店の方に

撮影に参りました。どれほどの時間出演するのか分かりませんが、まあ無難な話し方をしておきました。

ご興味ある方はご覧になってください。

皇后陛下もかつては海外に出かけられるたびにお誂えをされていましたし、ある年齢くらいまでの間は市販のモノでお気に入りのモノをお買い上げになっておられましたが、近年は地味であっさりしたモノばかりをお召しで、以前のような立派なモノはお召しになっていません。
これは年齢や、周りへの気遣い、おもてなしのお気持ちからなのでしょう。

それでもことある毎にお着物をお召し頂くのは、業界人としても嬉しく思っております。

社会をリードしていく立場の方々が、大切な自国文化であるキモノをお召しいただければ、それだけで貴重な情報発信となります。

最悪なのが今の総理夫人や大臣、国会議員などで、日本人としての自覚を何を持って発揮しているのか理解に苦しみます。

茶道の心得もなく、キモノも買ったことがなく、貸衣装で着せて貰ってばかりいるような程度の女性議員が偉そうにきもの議連でキモノ文化に貢献していますなどとほざくのは日本の恥さらしなので国会議員そのものも辞めて貰いたいですな。

教養の欠片もないような女性議員など、なる資格もなく、なったらせめて色々日本文化を学びなさい。世界で恥をさらしまくっているようなモノです。

まあ外務官僚の文化に対する無知、無恥もあり得ないほどの恥さらしですが、もっと文化の話が出来るような人材が議員や官僚にいないと世界から馬鹿にされ置いてけぼりにされますな。嘆かわしいほど文化レベルが急降下しているのは、一にも二にも下品な嘘つき総理のせいであることは間違いがありません。

まあ私は孤軍奮闘でも、好きなキモノ文化、日本伝統文化の啓蒙啓発に今後も尽力したいと考えています。

閉店後のこと

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銀座の店は7月31日を持って18年の歴史に幕を下ろすのは決定しており、そのことに関して後悔はありません。

2月からの感謝のセールに、まさにこのブログをずっとお読み頂いている方々が次々お見えになりお買い上げ頂いていて、驚くと共に嬉しく思っています。

泰三さんの店はとんでもない高級なモノばかりでとても手の出るモノが無いと思ったけれど最後だと言うことで1度は見に行こうと思ったと言われるのですが、実は結構買いやすいものがたくさんあると言うことに気が付かれ、もっと早くから来ていれば良かったと大半の方が言われています。

私がテーマにしている、上質で、上品で、あっさりしていて飽きの来ないモノで、ちょっとした儀式にも着て行ける格ももったものというキモノは、まさにその方たちが求めているモノですので、初めてこられてもほとんどの方がお買い頂いています。

まあ最後だからと言うこともあるでしょうし、お値打ちの価格だと言うこともあるかも知れませんが、私の考える物作りは世間で大変求めている人が多いと言うことも良く分かりましたし、間違っていないという確信もあります。

ただその方たちは閉店された後どうされるのか、買ったキモノの面倒は誰が見てくれるのかなどと色々お聞きになりますし、当然だと思います。

そしてこれからも、私の思うようなモノを求めたくてもどこに行って良いのか益々分からないとも言われます。私と同じセンスで作っている人がいないと言うことではないのですが、どこに行けばそうした物が置いてあるのかが分からないというのは事実です。

あれやこれや色々と考えていたのですが、銀座の店を閉めてもそうしたご要望に作り手としても、売り手としてもお応えするのがやはり私の使命だろうと思っていますし、そのことが私の利他の人生なのだろうと考え、閉店はしても、少し落ち着いたら、物作りを無理のない程度に再開すると共に、種々のご要望にもお応えしなければ無責任だろうと思います。
ただ加工度の凄い物は現実につくれなくなっていますし、需要も激減していますから、全体的にあっさり目のモノが中心となる予定ですが、後期高齢者と言われるような歳くらいまでは、いわゆる現役でいたいと思っています。

京都に遊びがてらご覧においでになれば私も一緒に観光いたしますし、京都の職人文化もご紹介したいと思います。
勿論東京での販売の機会も作るつもりでおります。

これからもキモノ愛好者、これからキモノを着ていきたいと思っている人達にとっても頼りがいのある存在でいたいと考えておりますので、何なりご相談ください。


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