事前に御案内したセール期間は明日まででしたが、地方の方などで東京になかなか行くことがなく、行きたいけれどその期間には行けないという方からのお尋ねもあり、考慮した結果、今後も閉店まではセール状態を継続することといたします。

後3ヶ月ですが、是非1度はおいでいただければと切に願っております。

5月は10日から店に出ておりますので、ご来店ご希望の場合はご予約をお願い申し上げます。

銀座の和の店

カテゴリー:

銀座から和装関連の店が次々姿を消すというのは、いわゆる従来からの質の良い物を扱うところで、実は銀座全体で見ると和装関連の店は増えているのです。

それはリサイクルショップとレンタルショップです。

レンタルショップはほとんどが銀座のホステス向けですが、まあろくでもないキモノを銀座のホステスがいているのを見ると世も末かと思います。勿論京都の観光客向けのレンタルキモノよりはましですが、問屋の売れ残りの古いものなど、我々が見ればすぐにわかる安物です。ポリエステルのものも多いようです。

銀座に来る飲み客が昔のように良いキモノが分かるはずもなく、せっかく良いキモノを着ても褒めてもくれないから、そんなことになってしまったのでしょう。

リサイクル屋も多く、およそ銀座に古着屋が出来るとはかつては夢にも思いませんでした。

私が店を出した18年間にはまだ昔の銀座がありましたが、ほどなくバブルで傷ついた後遺症から、ビルの家賃が下がり初め、ドラッグストアが出店し、居酒屋が出てきてコンビニが次々出来ると言うことになりました。

まさに何でもありで、並木通りのかつて並んでいた画廊も次々姿を消して、欧州のブランドの店が軒を並べるようになり始め、銀座の老舗も貸しビル業に変っていったのです。

世の中の風潮、世相が変り、リサイクルショップもドンドン増え始めて、当然のように銀座にも次々と出始めわけです。

かつては銀座の高級呉服専門店が、キモノ業界のリーダー的存在でしたが、バブルはじけ絵からの超放漫経営でほとんどすべてが姿を消してしまったあと、これといった核となる店がなくなり、消費者もどこに行って良いのか分からず、ろくでもない店で騙されてつまらないものをとでもない値で買わされてしまうということになってしまったのでしょう。

ただで着付けを教えますと言いながら三流品をとんでもない値で買わすような業者などかつては考えられませんでした。

消費者の無知につけ込んで、嘘を嘘で塗り固めるような業者など、誇りあるキモノ業界にはかつては考えられず排除されていたはずなのですが、結局専門店の凋落が激しく、とりあえず何でも良いから売ってくれる所にしがみつきこうした半分詐欺的業者が大きな顔で跋扈するという結果になっています。

キモノ教室で販売などを進められたら、ちょっと冷静になってそのキモノや帯のメーカーなどを検索してみれば、どの程度か分かりますから、騙されていると気が付くはずなのです。

あとになって気が付かれても手遅れなのですがね。

着付け教室行くのなら有料でも販売をしないところに行くことですね。

消費者がつまらないところで詐欺同然で安物を高く買わされているということのないようにするには流通業者の良識が必要ですが、絶望的とも言えるほどそれが無いのは、販売先があまりにも少なくなって、詐欺でも何でも勢いのあるところに頼ってしまうからです。

販売価格に不審を覚えたら、大手のネット販売業者などで調べてみてください。

クーリングオフは8日間余裕がありますから、その間に冷静に調べることです。

悪徳業者を排除できるのは消費者自身なのです。

私は店を閉めてもそういうアドバイスは差し上げますので、遠慮無くご相談ください。

とりあえず専門店がもっと頑張らないといけませんね。

銀座津田屋閉店のお知らせ

カテゴリー:

銀座で現在本格的な和装小物を幅広く取り扱っておられる唯一のお店である
「銀座津田屋」さんがこの5月20日をもって閉店されることになりました。

105年の業歴を誇るだけに大変残念なことで、これで銀座から筋の良い小物を扱う専門店は姿を消すことになります。

銀座という街から次々と和の拠点が無くなっていくことは寂しいかぎり、私も7月末に閉店するのは忍びないのですが、津田さんも私も、大きな理由は後継者の問題です。

単に子供が継がないと言うことだけではなく、職人さんの高齢化と廃業で今後今まで当たり前のようにやってきたことが出来なくなると言うことが確実視され、質の低いモノを扱いたくないというプライドもあって、今のうちにと言うことなのです。

明日から閉店セールに入られますので、今のうちに必要なものは買いだめをしておかれればと思います。

銀座は本当に変ってしまいましたね。

材料の質の低下

カテゴリー:

今の日本は少子高齢化と言われて久しいのですが、近年あらゆる職種で人手不足を言われ始めています。
私どもの業界でも高齢化がすべての段階で進み、ベテランが次々と現場を去ることで起きる大きな問題が山積みです。若年労働者は参入せず、仮に勤めてもすぐに辞めていくと言うことも良く聞きます。
将来が見えてしまえば確かに不安になるのは当然です。

手描き友禅や西陣織の生産は、大変な危機を迎えるのも必至な情勢ですし、モノがなくなれば売ることも出来ないわけで、特に今リスクの張れないところは厳しいと思います。

苦しいから逃げるのではなく、今だからこそ前向きでなければならないのですが、そういう人は少ないですし、違う道を探る人も多く、単純に良いキモノ、帯を作るために何をなすかを真剣に考えてる人がどれほどいるのか疑問です。

職人さんの高齢化も問題ですが、最近材料の低質化が問題となり始めていますし、最高級の質の物作りはかなり早い段階で厳しい状況となるでしょう。

梅垣さんの帯、泰三のキモノも、今のうちに良いモノがあればお買いになる事が良策であることは間違いないでしょう。

特に金箔の質が落ち始めていて、本金の箔の金の含有量が落ちているようです。これは確実に輝きに影響が有り、それを巻き付ける金糸の質にも影響します。

今すぐではないでしょうが、高級なモノへの需要が激減したことで、本来日本国として護るべきモノが出来なくなることは恥ずかしいのですが、現在の政治環境の中では、ろくなパトロンも育たず、残念ながらせ世界が認める日本文化の質の低下は間違いなく、その足音は私がずっと以前から申し上げていたように現実に聞こえてきます。

国会議員や財界人が貸し衣装で平気な時代です。

周りがみんなそうだから恥とも思わず、恥をさらしているなどとは一切思っていません。

政治家や官僚が国民に嘘をつくことも恥とも思わない、伝統文化など全く分からない、
無知、無恥の輩がこの国の価値をおとしめていると言う危機感などさらさらなく、世界からますます馬鹿にされ置いてけぼりにされて行くことでしょう。

頭が良いだけの常識知らずの馬鹿が激増した背景を直さないと、この国は本当にとんでもないことになってしまいますな。

一番大事な家庭教育がお留守になっていることも大きく、私も元気な間には、子供や孫に伝えるべき事は伝えてかねばなりませんし、機会があれば世の若者にも、啓蒙、啓発をしたいと思っています。そういう機会を与えて頂ければいつでも飛んでまいります。

心ある大人が伝えるべき事が伝えられるかどうかと言うこともこの国のこれからの大きなテーマではないでしょうか。

本当にするべきことは

カテゴリー:

3月末には京都に帰りましたが、4月のはじめは京都の問屋筋では一年で一番大事な展示会を催すところが多く、全国のデパートが専門店が上洛します。

しかし近年何時もそうですが、ただただ見て回るだけで、リスクを張って買い取りをするところは本当に少ないというのが現実です。

委託で、つまり貸すことでした商えない、しかもどうかすると自分で交通費など諸経費持ってt地方の専門店の展示会に売りに行くのです。

そんな状況でたいした仕事も出来ない専門店が理不尽な値付けをしているのを見ると、真面目な商いや物作りをしている者は嫌気がさし、益々やり甲斐を無くしていくことでしょう。

知恵を出し、金を出し、汗をかいてつくリあげた作品を、もっとも努力しない者が一番儲かる等という構造は如何にも理に適いませんし筋が通りません。

なぜこういうことになるかというと、結局小売価格を問屋が決められないからです。

一部小物や、特定の製造問屋では同じモノをたくさん作る場合、小売価格設定をして、取引条件に応じて個々に卸価格を決めると言うことをしているところもありますが、一点しかないものは、いくらで売るかは、売る方の自由というような慣習が続いてきたことに問題があります。
かつては買い取りがほとんどでしたから、買ったものがいくらで売るかは売る側の自由だと言うことでしたし、まあそれが当然とされていました。

しかし今は委託商いですから、本来価格決定権は問屋やメーカーにあるべきなのです。

私がアンテナショップを開設したのはそうした思いを実現するためでした。

流通段階での付加価値の配分があまりにも、一番リスクを張らない者に偏っているということが、この業界が疲弊し、モノ作りの質が落ちてきた大きな原因です。

如何にしてそれを公正公平なモノにするかと言うことが今問われているのだろうと思いますが、旧態依然とした取引環境を打破する勇気が作り手にあるのかというと、なかなかそうでもないようで、情けない思いをします。

ただ少なくとも金払いが悪いような不良な流通業者は次々忌避されています。
ですからまだまだ倒産予備運の会社も少なくないと思います。

作り手を尊重しなければ商いは出来ないと言うことをよくよく思い知るべきでしょう。

ポリエステルの機械染めの様なモノばかりが伸びていますが、多分ほとんどがレンタル業者向けのものです。
レンタルでなくて買いたいと思う人もまだまだ少なくないのです。

奇を衒わない上質で上品でそんなに柄が重くなくスッキリした飽きの来ない綺麗なキモノというのが一つのトレンドでしょう。それがリーズナブルな価格で買えれば、特に都市部では需要を掘り起こせると私は見ています。
浴衣の出来そこないのようなキモノを作っているようでは先人からの職人の技は守れません。
これからこのキモノ業界で飯を食う人には一段と勉強して頂いて感性を磨き、消費者の動向を良く探り、本物志向の物作りをされることを期待しています。

真の消費者目線のマーケティングがこの業界はほぼゼロにも近いのですが、如何にして集客するか、いかにして売りつけるかなどつまらないテクニックばかり考えないで、消費者が素敵だと思うものを揃えることこそが、一番するべき当たり前のことなどだと思い至ってほしいものです。


月別 アーカイブ