今週末16日(土)、17日(日)に第4回の泰三の会を前回と同じ、銀座東武ホテル
(現マリオット銀座東武ホテル)の地下1階 タブローの間で開催します。
両日共に12時から6時までです。

昨年の7月に旧来の銀座きものギャラリー泰三は18年の歴史に幕を閉じたのですが、その後も客さまのご要望もありますし、東京に出てくる用事もありますので、2ヶ月に1度くらい、前の店の近くでもあるので、銀座東武ホテルさんでミニ催事を開催いたしております。

従来のお客様の色々なご注文にお応えしたり、未だに来られる新しいお客様などに泰三のこだわりを見て頂いております。

なにぶん夫婦2人でのお相手ですし、そんなに大きな部屋でもありませんから、予約をお願いいたしております。一応お1人に最低1時間をお取りしておりますが、場合によって重なることもあるかも知れませんがお許しください。

作り手としても売り手としても、正統なキモノ文化を継承していく責務をつくづく感じるこの頃ですので、本物をリーズナブルに提供する流通を細々とでも今しばらく続けていきたいと思います。
上品でスッキリした飽きの来ない本物を見て頂こうと思っていますし、ご興味ある方はご連絡ください。

内製化

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最近の職人さんの高齢化、生産数の減退で、後継者難が言われて久しいですが,かつてのように、職人さん自身が弟子を取って育てて行くということはほぼ不可能な事態となっていて、手描き京友禅、西陣織という京都を代表する文化は、このままでは風前の灯火で、継承は極めて困難です。

かつては京都の基幹産業として戦後の京都の経済を支え、夜の街も、繊維や関連業者でにぎわったものでした。

それが今やおそらく全産業中最も構造不況という状況で、40年以上連続して生産が落ち込み、最盛期の2ないし3パーセントの生産しかないという状況では、後継者を育成するための仕事がなく、非常に厳しい状況であることは誰の目で見ても明らかです。

こうした状況になるであろうと言うことは私は20年以上前から警鐘を鳴らしてきたのですが、いくらああだこうだといってもこの業界の人は茹で蛙状態で、風呂から出るのをきらい浸かり続けているので根本的な解決に立ち上がろうという人がいませんでした。

業界挙げて取り組むべき問題ですが、みんなばらばらで、まとまりがありません。

余りにも分業制が細分化されているので、いわゆる組合なども、各業種別にあったりするのでまとめにくいし、総論賛成各論反対のような人ばかりで、行政も組合から何か言ってこないと動かないというのが常ですし、そのうち組合も力が無くなって発言する馬力もなく、衰退するままに流されていると言うことになっていますから、組合自体が解散したり、組合から脱退する者も増え、いずれ消滅の憂き目に遭うでしょう。

ほんのわずかな数ですが、友禅の職人養成を目指す有料の講座があったりするのですが、受け皿がなかなか無いと言うことが悩みのようです。

京都で職人生活をしたいと願う人は実は結構いるのですが、生活が出来ないと言うことが難なのです。
これを面倒見ることが出来たら、すなわちサラリーマン的に定収入が約束されたら募集をすればなり手はいるのではないかと思われます。

実はキモノ業界にもこれからもまだまだ長く仕事をして行かねばならない業者の跡取りなどは、物作りが出来るかという危機感を抱いていますので、西陣でも京友禅でも一部の企業は、全部外注で出していたことを一部内製化し、自分の会社で職人を育てて続けていこうという目論見をしているところが有ります。

勿論コストの掛かる話ですし、財政的に余裕のあるところしか出来ないかも知れませんが、そうでもしないかぎり、いずれはものづくりはインクジェットでしか出来なくなります。すでに型友禅業界では、9割がインクジェットで生産されていますので、知らないうちにそうした小紋などを買っている可能性があります。
この業界は姑息で、製法を明記していないので、まず言わなければ分からないでしょう。

生地が薄いなとか、見分ける方法もないではないですが、売り手も素人のような人が多いので尋ねてみても分からないかも知れませんね。

手描き友禅業界でも糸目糊置きの部分を型で代用したり、完全にすべて手作業ですると言う物の生産は一部の軽い付け下げ程度はまだしも、絵羽の重い仕事は本当に難しくなるでしょう。
金沢の加賀友禅は工房形式の作り方をしているところが殆どですから、まだ若い人もいますしそちらとタイアップするという作り方も可能かも知れませんし、若い人はそうした情報交換や交流を是非持って欲しいと思います。

本家本元の京都でものが作れなくなると言うことは非常に恥ずかしいことですし、行政も本腰入れて人づくりに力を貸してほしいものです。
ただいつも言いますが、需要あっての生産ですし、流通業者が暴利を貪るような売り方をすることなく、生産者の立場に立って上質なモノをリーズナブルな価格で販売できるよう鳩首談合して貰いたいモノです。

私はそうあるようまだまだ元気な内はキモノファンのために尽そうと思っている次第です。
今度の16日、17日も、梅垣さんの新作や、着やすく買いやすい付け下げや小紋なども提案しますので、ご興味有ればどうぞ銀座東武ホテルにお立ち寄り下さい

振袖

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最近の呉服業界の低迷を受けて、製造問屋は新規生産をほとんど止めているような状況で、特に絵羽物(黒留袖、色留袖、訪問着。振袖)の生産は極端に落ち込んでいるようです。

写真のような本物の生産は今後も回復は期待できないでしょう。

2色の桶染めと絞り染めと縫い箔の振袖は泰三の得意とするところでしたが、長年作ってきた生地が無くなり、職人さんの高齢化で生産が止まってしまいました。

今あるものだけとなっていますし、ご興味ある方はお問い合わせください。


茶色地のキモノ

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朝方アップしようとして失敗して再投稿です。
こういうのが一番腹立たしいですね。

早いものでもう3月です。大分暖かくなってきましたがまだまだ風も冷たく本当に春はまだこれからですね。

キモノ業界はずっと厳冬の中に居て、先日東京の専門店筋のキモノを扱う有名問屋が廃業をすると言うことですし、京都でも同様にそうした問屋が急速に力を失い、そういう所へ下ろしていたメーカーも超減産状況です。
専門店が問屋からノーリスクで借りて商うと言うことが現実にだんだん厳しくなってきており、買い取りをしてくれないところ、支払いのルーズなところには委託を断るという、まあ極めて当然と言えば当然の状況に移行しようとしていますが、今更リスクを張れない等と言うところは、高齢で高齢者のないところはこの際廃業を考えるでしょうし、現実に全国で廃業していく専門店は増えています。

こうした結果消費者が本当に求めているモノに出会わないということが益々常態化し、買う力があるのに買わないと言うことになり需要は益々減退します。つまり作り手も同様に辞めざるを得ないと言うことになります。
潜在的な需要があるのに実需に結びつかないという極めて異常な状態は、業界自らが招いたことで、私はずっと警鐘を鳴らしてはいましたが今更どうすることも出来ません。

ですから私に売り手として期待される声が小さくないので、真面目な作り手と消費者との橋渡しも大事な仕事かと思っております。

何かご注文があれば遠慮無くご相談下さい。ほぼ御希望に添えると思います。

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今日は焦げ茶地の訪問着をご紹介します。

草花模様を縫箔で表現した上品な訪問着で、空間も多いので帯も良く引き立つことでしょう。

茶色は色黒の顔には合わないという人がいますが、大きな誤解でしょう。
かえってしまって色白に見えると思います。

とりあえずは是非袖を通してみて下さい。


茶色は字の通り、江戸時代茶の葉を煎じて出来る液で染めたことから、褐色の色がそう呼ばれました。
江戸時代後期に媒染剤の発達で俗に四十八茶百鼠と呼ばれて色々とお洒落な、何とか茶というような色名がたくさん出現しました。
茶の葉が緑なので、青緑の様な色でも何とか茶などと呼ばれていましたが、今は大体ブラン系統の色をそう呼びますね。

お客様にキモノを勧めるときは色というのは大変重要なファクターですし、売り手も色の勉強をしておいた方が良いのです。

お顔の色、体つき、醸し出す雰囲気など加味して色々お薦めしますが、私の場合は作り手だけに、その好みや思いが少し影響します。

基本的に私は茶色が好きですし、是非お客様にもお召し頂きたいと願っています。

3月の会にも当然持って参りますし、ご興味有れば見においで下さい。

文様の使い方

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我々きものを製作するときに、まず何を作るかと言うことを決めるのは当然です。

それによってどんな柄、どんな文様を使うかを決めるわけですが、ジャンルで言うと大きく分けて晴れの席に着ていくキモノか、普段着なのかということで大きく変わります。

泰三のキモノはどちらかというと晴れの席にお召し頂くキモノが主ですので、使う文様もいわゆる吉祥文様を使います。ですからその文様の持つ意味なども勉強しておく必要があるのは当然ですし、お客様にその持つ意味を正しくお教えできなければならないと私は思っています。

野に咲く花を写生的に描いたようなモノはそれなりの季節感があってしかるべきなので、同じ花でもフォーマルに使われるものと、いわゆる洒落者に使われるものとは多少違います。

例えば日本を代表する花として菊がありますが、天皇家の家紋が菊であると言うことからか、国の花としても指定されています。

これを我々は代表的な吉祥文様の1つとして晴れ着にはよく使います。菊は秋の花ではないかと言うことをお尋ねになる方がおられますが、目出度い席で着るキモノの文様として紋菊という形で使われるときは、年中構いません。
ただ写生的な模様として菊を描いているとき、そういう類いのキモノの場合はやはり秋の風情を感じさせる季節のものとして考えます。

そういう意味では例えば梅の柄というのも、松竹梅、つまり歳寒三友の1つという吉祥文様として、フォーマルのきものに使われている場合は秋でもお召しになって構わないのですが、菊ほど周知されていないので、やはり1月から3月くらいに着ると思われている方が多いようです。

余談ですが桜は菊と同様国の花として指定はされていますが、決して吉祥文様でも何でも無く、あくまで春の一時期に、季節感を表す文様として使われます。ところが時々秋でも冬でも桜のキモノを着ている人を見かけて唖然としますが、キモノを知りもしないで物を売るようなNCの勉強などしたこともないような社員が、国の花だから1年中着られるなどというのでしょうね。情けない話です。

私の若い頃は桜の柄のキモノは目出度い席で着てはいけないと言われたモノです。
それはかつて日本人は桜が咲くと言うより、散ると言うことにもののあわれを覚え愛でていたのです。
ところが最近は桜の咲く様ばかりをはやし立てるので、文様の解釈が変ってしまったということでしょう。

他にもそういうモノがあるのですが、日本の社会常識の変化でこうした伝統的な柄や文様にも解釈上の変化が見られるというのは事実です。

物作りをするモノはこうしたことを勉強した上でデザインするなりお客様にお勧めして欲しいのですが、正倉院文様も知らないような輩がキモノデザイナーなどと称している昨今、本当にキモノ業界も地に落ちたモノだと暗澹たる思いでいるのは確かです。

基本をきっちり勉強してから、色々と今風に変えていくということで有ってほしいものですね。

ただ最近フォーマルのキモノの生産が激減しているだけに、吉祥文様などを勉強もしたことがない輩が感性だけでもの作りをしていくと言うことが横行していくだろうと予想され残念な思いでいます。
願わくば晴れの席で良いキモノを着る人がもっと増えて行けば少し風向きが変るのではないかと期待しますがね。


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