何事にも健康が一番

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しばらく空いてしまいましたが、実はこの1週間余り入院しておりました。

いつも定期的に胃カメラの検査を東京の病院でしているのですが、5月に検査したときに
初めて、引っ掛かり、7月に再検査をした結果、やっぱり異形細胞があるということでした。
僅か5ミリ程度で本当によく見つかったなと思うのですが、癌かどうかは切ってみないと分からないけれど、仮に良性腫瘍としても3年くらいの間に悪性に変化することはありうるのでせっかく見つかったのだから切除してしまった方が良いと言われ、そうすることにいたしました。
癌の手術というほど大げさなものではなく、内視鏡でスライスするように切り取るという、ESD(内視鏡的下層粘膜剥離術)という処置をするのだそうです。

これは日本で開発された治療法で、近年は早期がんでまだ深く浸潤していないと思われるときはこの処置で切除するのだそうです。

胃を切り取ってつなぎわせるような手術とは全く違うので、医師の世界では治療と称していましたが、ただ切り取るということは傷になるわけですので、出血のリスクを回避するために1週間ほど入院をしなければなりません。

以前なら銀座に店もあって家内も東京に一緒に来ておりましたから問題なかったのですが、
今は基本的に京都で生活していますから、入院となるとそのために家内も来てもらわないといけませんし、何かあった時にも対応ができません。

それで主治医の先生に知り合いの京都にいる医師を紹介してもらったのが、京都大学医学部付属病院、通称京大病院の腫瘍内科の教授だったわけで、結局転院し、再度検査を受けなおしやはりやった方が良いだろうということで今回の事態となりました。

通常月曜入院火曜施術月曜退院という事なのですが、体育の日が重なり一日多く入院し、今日退院の運びとなりました。

おかげで術後の回復も順調ですし、体に負担のない術なので思いの他元気にしております。

人為的に作った胃潰瘍が治れば完治という事で、今しばらくは自重しますが、1か月以内には復帰できる運びです。

入院中に悲喜こもごもの色々なことがありましたが、考えさされることも多く、
今回のことを転機に世のためとなるような後世の生き方を全うしたいものだと改めて思ておりますし、私にとってはキモノ文化の啓蒙啓発、維持継承という締めを全うすることかと思っております。
ただそのためにも健康無くしては何もできませんので一層色々と気を付けて行かねばと思う次第です。

種々物理的な問題が待ち構えておりますが、できる範囲では泰三の作り上げた文化を続けて行ければと改めて自覚してるところであります。

これからも何かお分かりにならないことや疑問に思われること等ございましたら遠慮なくお尋ねください。

フォーマルの見直し?

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今きものサローネという何のためにやっているのか全く意義を感じない意味不明のイベントが開催中で、まるで安物屋の文化祭という風情です。

会場を無料で貸してくれていた三井不動産、野村不動産もその内容に呆れたのか、あまり色々なシャワー効果がないのか、来年からは追い出されるようで、来年の会場は国際フォーラムだと聞いています。

それに今年からは有料だそうで、もちろん私は行くことはありませんが、一部梅垣さんや今河さんなど良心のある方が参加されているのは救いです。

来年からはどうなるのか分かりませんが、キモノ業界の需要はこの1年相当に苦戦ですが、今までキモノショーや、イベントなど嫌というほどやってきて、その効果があったかどうかは別にしても、キモノを着たいと思ってられる方は従前よりは増えているのは確かですし、それがそのままキモノの需要に回れば良かったのですが、
消費者の無知にかこつけて、本当にどこで着るのか分からないような、一度着たら嫌になる、ろくでもないキモノを口八丁で売りつけ、何の良識もなくだまし続けてきた業者がごまんと出現し、それとタッグを組むカス問屋の反省なき悪辣な商法で、せっかくのキモノへの愛を、間違った方向に利用し、くずばかりが儲けて来たということもあって、今はこんなことしてもキモノを買いたいと思う人が増えるわけでもないのです。

この会に行く人は普段着派の人が多いようで、リサイクルで買われる人たちも情報を得たくて来るという感じです。

まあ普段着ですから洗える方が良いわけで、やはりリサイクルでもポリエステルのものなどが売れていてその比率は上がっています。

キモノを着る人が増えることは結構なことです。でもそれがいわゆる普段着派ばかりで、本来晴れの席で、日本の上層階級と思われる人たちがキモノを着ないというのは大いなる矛盾です。特に国会議員の教養の無さ、文化力の低さは、世界の先進国中最低レベルでしょう。

きもの議連など貸衣装で記念撮影する程度のあほ集団で、キモノをもっと着て欲しいというとキモノ着ていたら仕事にならないとほざく屑レベル老女が参議院議長ですし、教養が無いと先が読めないので目先のことにしか対応できないわけで、財政、外交などは最低です。

頭だけ良くても人間性最悪の輩が議員になってしまうのでどうしようもなく、日本史上最低最悪の低レベルの人間の政治ですので推して知るべしですが、キモノ業界も先読みのできない連中が、特に他業界から入ってきた連中が、文化の歴史も知らず安い物を作れば売れるという情けないほど低レベルのマーケティングで、結局全体の質を低下させ売り上げは落ちる一方です。

晴れと褻という二本柱はどんな仕事にもその精神的背景として大切なことで、その場でのルールがあるからこそ色々なものづくりができます。

高級フォーマルを作り続ける使命を負った老舗もキモノを知らない男が代表になることで、キモノの質は悪くなり値は上がるという最悪の結果を招来し、これまた減る一方なのです。

一言で言えばまさに勉強不足で文化力がなく、キモノを真に買う人がどんな時にどんなものを着るかという伝統文化を全く知らずしてキモノ業界の明日を占うなどというふざけた大口をたたいています。
洒落物がこれからのキモノ業界の進む道だと言って、フォーマルを軽視したような店が、従来の上客を逃がし焦っていますが、身から出た錆なのです。

当社の取引先で本来高級フォーマルで売っていた店が代表者死去の後、後継者がまるで今前の商いが間違いであったのような転換は大間違いだとかなりアドバイスしましたが、結局創業者と二代目で作り上げた店のカラーは変わってしまい、当社との縁もなくなりましたが、案の定相当苦戦しているとのことでした。

可処分所得が相当あってキモノを買いたいけれど買いたい店や買いたいものが無いちお云う方々が良く銀座の店においでになり、私のセンスを愛でて頂いたものです。

今もそういう方は多いでしょうし、一度泰三のものが見てみたいという方は是非ご連絡下し。

衣替え

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あっという間に9月も終わり、衣替えとなりますが、京都も大変蒸し暑く、
日中の日射しも夏のようで、とても秋という感じではありません。

私は一応プロの立場として、10月1日からは袷という体制は取りますが、今年の場合は単衣はしばらく整理に出さないで置いておこうと思っています。

早速明日キモノを着ることがあるのですが、やはり単衣にしようかと悩んでいます。
まあ天気次第と言うことです。

洋服でも明日から秋の装いとは言っても、半袖は欠かせませんし、秋冬物の購買はする気もしません。

服飾文化というのは、日本では特にその背景にある四季が元来明確だったから、色々とバリエーションが生まれ、お洒落のしがいがあるのです。

年中同じような温度の国に行くと、当然着る物も年中同じですから、着る物を見て四季を感じることもありません。

多くの国風文化の生まれた京都の四季が、多種多様な文化を生み出し、それを中心に色々な決め事があるわけですから、これだけ京都の四季も曖昧になれば、私はそれに付随する文化も変らざるを得ないのかと思います。

それでなくても伝統文化は陰暦時代が元になっていて、それを太陽暦の中でこなして行くからややこしい訳ですが、その上季節の変わり目が大きく変ると、昔の言葉との乖離が大きくなりすぎて違和感を覚えます。

人が自然界で作り上げた結晶が文化ですから、その自然が変れば、文化も変節を遂げるのは当然だろうと思います。

今が異常気象だと言っていますが、毎年こうだとなるとその自然に変化に多くの物が変っていく事ですから、キモノ文化もそれに付随して変って行くべきだと私は考えています。

時代に応じた生地などの開発や、着方の変化なども業界的には考えるべきではないかと思っています。

私はもうそこそこ高齢ですので、次の世代の人達が考えるべき1つの課題だろうと思います。

不易流行という言葉があります。
芭蕉の言い出した言葉ですが、変えていけない事と変えてはいけないことを正しく理解しておくべきです。

何でも先人のやってきたことを壊して良い物では有りません。
変えていくべき事、変えざるを得ないことは前例主義にこだわらず積極的に変えるべきなのですが、業界の若手でもそれを理解せず、先人のやってきたことが全て間違いだったというようなばかげたことをいう者がいます。
これは育ちとか教養の問題で論外なのですが、変えた方が良いこともこの業界にたくさんあるのは間違いない事は事実でしょう。

キモノ業界は塗炭の苦しみにありますが、それは古くからの古き良き時代の流通構造にしがみついたり、お客目線ゼロで、業界の都合ばかりを客に押しつけようという情けない無理無体な商いを続けてきた結果の報いであって、買いたい人達の心が全く読めていない試走した人たちの心が読めていないのです。

業界人自身の反省無くしては2度と隆盛となることはありません。と言う意味では絶望的な面もありますが、個々には旧弊を打破して頑張っている若手もいますし、期待するところもあります。

私は培ってきたノウハウを駆使した泰三らしい物作りを今しばらく続けなければいけないと自覚しているところでございます。

きものサローネ

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キモノお好きな方ならきものサローネというイベントをご存知だと思いますが、毎年10月ごろ日本橋コレドやYUITOを舞台に開催されるのですが、私はいったい何のためにしているのかいつも疑問に思いますし、皆さんにお勧めは積極的にはいたしません。

本来はキモノの啓蒙活動の一環として始まったはずなのですが、手描き友禅などの上質なまともなものの展示が最近無くなってしまい。
何が何だか分からない有様ですし、私は梅垣さんや西陣の知人が組合で出ているので表敬訪問でそこのコーナーだけ行っていましたが、あとは私としては見るべきものもなく、目が腐るので早々に退出しています。
今年は京都にいますので行くことはありませんが、なんと今年から有料になるそうで、
1000円出さないと入場できないそうです。

それと今までは会場費が無料で使わせてもらっていたようですが、来年からはそれができなくなるということで場所が変わるようです。聞いた話では有楽町の国際フォーラムだそうです。

有料になると当然行く人は極端に減るでしょうし、参加企業にも払わせるということで、つまり優待券が無いとのことですから、どうなるのか分かりません。

私はキモノにも当然いろいろあって良いし、インクジェットで制作するのも嘘をつかなければそれはそれでいいでしょうが、所謂本物が展示されないような会に初心者が行っても何の勉強にもなりませんし、真の啓蒙活動にはならないと思います。

本当に良いキモノを消費者が見る機会がどんどん少なくなっている現実に鑑みて、こうした会を有効に活用すれば良いと思っていたのですが、全く違う方向に向かっているので、こんなことを何度やってもキモノの消費が増えることはありません。

キモノがなぜ売れないのかということについて安物志向の連中はキモノは高すぎるから売れないんだとしかいいません。私とは範疇が違うし考え方も下品な連中が多いので付き合いませんが、そこそこ買える人にインクジェットンキモノを薦めても買われません。

たとえ高額でもそれに見合う質と、センスと、売り手の知識やコーディネーターとしての能力があればまだまだキモノは売れると思うのですが、そうした当たり前のことを当たり前にしていれば今のような苦境を迎えることもなかったかもしれません。

結局売れなくなるようなことばかりして消費者の信を失っているところが多く見られますし、売れなければ作れないわけですから、小売店の責任は大きいのです。

知識なき売り手など論外の話ですが、このことを業界あげて何とかしなければ本物は作れなくなっていきます。デパートのバイヤーと称する連中ももっと気合を入れて勉強して、消費者の求める良いものがないか足を棒にして探してほしいし、商品にもっとリスクを持たないと良いものはそろわないでしょう。

問屋を利用することばかり考えている小売店は必ず疲弊していきます。

小売、卸、メーカー そしてエンドユーザーがすべて喜びを共有できるような商いに早く戻ることを老婆心ながら期待しています。

東西名匠

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久しぶりに大阪高島屋に東西名匠老舗の会に行ってきました。

この会は歴史があり、春は東京日本橋、秋は大阪で合同の展示会を開催します。

京都の老舗をくれない会、東京を紫会と称し、髙島屋の名物展示会でした。

発足当時から売り上げ上位は呉服専門店、特に東京の店でした。
当社の得意先でもあったので大阪で開催される時には当時は毎年初日に挨拶に伺ったものです。

当時は大阪にも花柳界が現存し、料亭が置屋も兼ねて芸者を抱えていましたから、そうした女性たちも初日によく買いに来ていました。

1週間催事でも、結構いいものが売れていて売り上げ1位の店は確か3000万円を超えていたと思います。

ある意味良い時代でしたね、

ところがバブル経済がはじけてから、そうした呉服専門店が急速に陰りを見せ、何軒もが倒産したり脱退していきました。

今でも数軒古くからの呉服専門店も加盟していますが、相当に厳しいようです。

でも私が見たところはっきり言って買いたいと思わせるような素敵なものはほとんどありません。

かつては銀座の専門店筋がオリジナルのものを提案したり、それぞれの店にも個性があって、それなりに買いたいと思わせるものがあったように思いますが、今回見たところでは
そうしたものも見当たらず、問屋から借りてきたものをただならべているという感じです。

私は常々言うのですが、キモノが売れない売れないとぼやく人が多いですが、それなりに可処分所得の高い女性が、買いたいものがない、そういうものを置いている店が分からないと逆にぼやかれます。

こうしたミスマッチがなぜ起こるのかということにもっと真剣に取り組んで欲しいのですが、お金があって買える人たちの目線が分からなくなっているのでしょうな。

高級フォーマルはこれから売れないと勝手に決めつけ洒落着と称する、富裕層が買わないモノばかりをそろえて、そんなに余裕のない人にローンで売るなど呆れかえる所業です。

いくら言っても仕方ありませんが、売り手がもっとしっかりしないと良いモノづくりが全くできなくなります。

私は作り手を育てることも大事だが売り手の教育が急務の課題だと以前から申し上げていますが、予想通り本当にひどい状況です。

売れない小売り屋やデパートを相手するほど問屋も悠長ではありませんし、生き残りをかけてこの数年で色々な動きが出てくるでしょう。

そうでない座して死ぬを待つようなところが次々出てきます。

専門店が日本のためにも奮起して欲しいと口酸っぱく申し上げています

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